ジョリーメゾンの物語がはじまるアトリエ
自然光が満ちるジョリーメゾンのアトリエは、緑豊かな丹波市柏原町(兵庫県)に佇んでいます。ここは、ジョリーメゾンの縫製・仕上げ、梱包などの心臓部であり、長年の熟練の技を極めた裁縫師たちが従事しています。
この静かなアトリエでは、梱包作業の部門とは別に、丹波地域の裁縫師達が高度な縫製技術が伴うジョリーメゾンの商品の最終段階の組み立てや仕上げといった作業が黙々と進められています。
ジョリーメゾンにおけるトップの裁縫師 高橋康子さんが商品の全ての仕様を現場監督として行っています。
高橋さんは18歳から縫製の現場で活動し、日本(厚生労働省)におけるものづくりマイスターとして技能継承のほか、地域関係者の創意工夫による技能振興の取組も同時に行っています。彼女のそばで熱心に共に働く裁縫師達にとっては、彼女の仕事を間近で見ることができるので貴重な経験だと言えます。
高橋さんは言います。
「ジョリーメゾンに従事している裁縫師の全ての人は、自分の子供へ、孫へ、縫製してあげている気持ちじゃないかしら。また、私も今まで培ってきた技術を少しでも共有できたらとも。スピード上げて大量に作るのもいいけれど、やっぱり一枚一枚丁寧に“美しく、正確に”。使ってくださる方を思い浮かべて縫っていきたいわね。やっぱり喜んでいただきたいもの。」
裁縫師たちが交わす会話や沈黙。布が擦れる音、ミシンの音、アトリエに流れる様々な音。
大量生産の縫製はメカニズムが進む中で、ジョリーメゾンのものは機械では難しい縫製技術が伴う素材や立体的なものが多いため、全てがハンドメイド。高度な縫製技術が伴う素材もひと針ひと針丁寧に裁縫師達によって縫われていきます。
縫製の途中に幾度とかけられるアイロン。このようなひとつひとつの丁寧な工程が仕上げにも少しずつ影響してきます。綺麗に仕上げるために、アイロン掛けと言ったひとつの工程も惜しまずに行なっているのも高橋さんが率いる縫製チームの強みです。
布の垂れ具合、重さ、薄さによって縫製の仕方が変わるので、ひとつの素材をとっても、アトリエ内で実験・研究を行なっています。このような過程を経て、細やかな調整が行われた後、美しさと正確さを合わせたジョリーメゾンの商品がうまれてきます。
それを高橋さんは「スッキリ垢抜けした美しさ」と表現します。手を抜いたものはどこか垢抜けしない、モッタリとした印象というのです。
裁縫師は、初期段階から商品化の完成に至るまでを実現するので、全てのモノづくりに対して愛おしく感じています。つくる中で細部にまでだわりを持つのは、きっと縫製を誇りに思っているから。メカニズムには出来ない、人の手でカタチをつくっていくことのすばらしさと手の可能性をジョリーメゾンの商品から発信できたらとも思います。